エイデン

ノクタのエイデンのレビュー・感想・評価

ノクタ(2019年製作の映画)
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教会に生まれ、厳格な神父により敬虔なクリスチャンとして育てられたエルンストは、世間知らずでロクに羽目を外したこともない童貞の中年男
40歳の誕生日を翌日に控えたエルンストは、たまたま仕事でやって来た錠前屋の友人ティルに、誕生パーティをしたことがないと話したところ、見かねて企画してやると持ちかけられる
会場と飲食物だけ用意し、金がなければ客に払わせれば良い、もしかしたら童貞が捨てられるかもと唆されたエルンストは、それを承諾するのだった
翌日 ティルはイスラム教徒のシャビーを連れてエルンストの自宅を訪れる
彼が用意した地下の会場に案内された2人だったが、酒もタバコもやらない生真面目なエルンストはパーティとは思えない準備をしており、呆れながら喫煙所や酒を準備する
更にバーテンダーのフロムと、空手が使えるという女性ダンも手伝いに訪れ、酒も無しだと言うエルンストに、これはノンアルだと嘘をつき、ようやくパーティ会場らしくなっていくのだった
そしてしばらくして会場には続々と客が訪れ、エルンストの人生初の誕生パーティが始まった
するとシャビーがエルンストに、ノクタというイカした女の子が来るとささやく
そこに現れたノクタは、ゴスなファッションに身を包んだ美女で、エルンストは一目で恋に落ちてしまう
ティルは何とかエルンストとノクタをくっ付け童貞を捨てさせようと考え、酒の飲めない彼女に飲ませろと、ノンアルだと言って酒を渡す
エルンストはシャビーに連れられ、ハッパを吸っていたノクタの元を訪れる
エルンストは、酒が飲めないというノクタにティルに渡された酒を渡すと、シャビーの嘘でハッパを吸ってしまう
すっかりハイになったエルンストは、歌を捧げると言ってノクタをステージに連れ出すと、カラオケで得意の歌を披露
しかしノクタは酔いが回って気分が悪くなってしまい、嘔吐してトイレにこもってしまう
心配したエルンストだったが彼女にも嫌われてしまい、ティルに怒りをぶつける
更に会場は乱痴気騒ぎとなっていき、とうとう流血沙汰まで発生
エルンストは自分が望んでいたパーティじゃないと中止するよう声を上げるが、既に制御不能となっていた
更にそこへ酒を飲まされた上に生理まで来てしまいイラついたノクタが現れ、客の1人へ襲い掛かる
実はノクタの正体は血に飢えたヴァンパイアだったのだ



ドイツのインディーズムービーズ集団P.H.Y.C.H.O. Productionのスプラッター映画

ドイツのホラーといえば血みどろゴア系という古びた認識あるけど、その路線を地で行く正統派グロ映画

ストーリーもそこそこに画面を舞う血と汚物!内臓!骨!
殺戮に次ぐ殺戮からゲイのスカトロプレイまでレーティングに唾を吐く攻めの姿勢が素晴らしい
そしてその惨劇の元凶である酒と生理でブチギレ状態のゴス系ヴァンパイア のノクタちゃん
血を浴びるその姿は段々キュートにさえ観えてくる

人種や宗教など、昨今タブーになってるようなものをネタにしまくったブッ飛んだ展開もさることながら、
そんな背徳的すぎる空間の中、一心にノクタへの恋心を持つ敬虔なクリスチャンのエルンストの恋の行方も描かれる
ラストも路線を維持したイカれたものを拝めるので、徹底して良いジャンル映画になってる

予算の少ないインディーズ映画ながら、コトが始まってからのビジュアルの強さや、爽快感ある殺戮描写が満足度高い
観る方法少なめだけど、インディーズ映画の底力を伺い知れる作品なので、この手の作品が好きな人にはオススメ
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