Hiroki

マスカレード・ナイトのHirokiのレビュー・感想・評価

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)
3.5
凄く疲れていて低気圧で頭も痛い。
そんな時だから気軽に観られる作品をと思い今作品を。原作既読で犯人も知ってるしなという気持ちもあり。

このマスカレードシリーズはホテルが舞台にも関わらず、グランドホテル形式を使わずに主人公2人の視点で物語が進んでいく。
しかしホテルに来るたくさんの問題ある客に片っ端から有名人をキャスティングする事で、映像ミステリーの「この感じでこの有名人なら絶対怪しいじゃん!」というあるあるをうまく回避している。
ここらへんの作りは相変わらず上手い。

しかし構成として前半に一度容疑がかけられて無実だとわかった人物が、実は犯人だったというミスリードの作り方が前作のホテルから全く同じ。
これでは原作を読んでいなくても前作から観ている人にはすぐに犯人がわかってしまうと思う。
そしてこのマスカレードシリーズは文字による情報の制限で作られるギミックが肝なので、そもそも映像化に不向きである。
前回の片桐(松たか子)も、今回の仲根緑(麻生久美子)も。
今回の麻生久美子は特に身体は女性、心は男性(たぶんトランスジェンダーの設定)という人物像に全く見えなかった。
そもそも真犯人は男性の名前だったから仲根緑は違う→実はトランスジェンダーだったので真犯人になり得るという流れを映像でやるのは少し現代の風潮的に厳しいかなー。
それを意識してかそこらへんの謎解き部分をフワッとさせていたから、ミステリーとしてはかなり弱く感じた。

キャスト的に長澤まさみと小日向文世が一緒にいるとまた違うドラマに見えちゃいますよねー。
キムタクと小日向さんと勝村さんとか。キムタクと沢村一樹とか。沢村一樹と木村佳乃と泉澤祐希とか。
日本映像界の問題ですねーこれは。
あと最初の中村アンて必要でした?
後からなんか出番あるのかと思った。
あれだけならプロのダンサーにお願いすればよかったのでは…

原作的にはもう少しで最新作『マスカレード・ゲーム』が発売になります。
新田がなんと警部になってるらしい!
今作も2021邦画興収で8位の38億と好調なだけに続編もあるのかなー。
でもキムタクと長澤まさみのスケジュール抑えるだけで大変そうだけど…

2022-36
Hiroki

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