カレーをたべるしばいぬ

マスカレード・ナイトのカレーをたべるしばいぬのネタバレレビュー・内容・結末

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)
1.7

このレビューはネタバレを含みます

とても苦手な映画でした。好きな人ごめんなさい。
やっぱりテレビ的な表現が多分に含まれた映画は厳しいものがある。

前作ありきの作りになっているので説明が極力省かれており、序盤ではキムタクの職業すら判然としなくなっている。

非常に不自然で不合理な展開が多分に盛り込まれており恐怖すら感じる。ホテルの客なら全肯定?風船で看板を塞ぐって。公安に非協力的なホテルってどうなの?それでいて捜査に口を出す。しかもベラベラ喋るスタッフもいるし。警察は警察で目の前で顔写真撮ってるし。都合の良い時に都合良く横の通路から都合の良い人が登場しますね。犯人逮捕への必死感を出しておきながらマッタリムードとか踊ったりとか結構呑気だね。
「ホテルに来る客は皆が仮面を被っている」…って失礼だろ!

長澤まさみがキムタクにホテルマン矜持を説教するシーンって3回以上入れないと死ぬんですか?偉そうなこと宣う割にゼンマイ式の不正確な腕時計をつけてるってマジで笑えてきますけど。時計に頼り過ぎるなって意味不明です。上質なサービスは、存分に頼られた時計に裏打ちされたものではありませんか?ここが最後の肝になるのでどうにも全く瓦解してしまった。

最後の方はきっとキムタクが無線で渡部篤郎と怒鳴り合いながら(「囮だ!」とか言いながら)ホテル内を駆け回るんでしょう。

台詞も行動もわざとらしさも許容できない矛盾を孕んでいる。その上で時折挿入される短絡的なギャグ演出が更に神経を逆撫でしてきます。

前向きな映画体験に繋がらない破綻がこの映画を支配しています。
正直、今迄でも指折りのしんどい作品でした。