巡査の池部良は勾留した容疑者に逃げられ…。
この監督らしくない、硬派な感じの作品。出演者が豪華な割には、やや地味な内容だけど、ロケを多用した映像は美しい。
池部良が働くのは新橋の交番らしく、当時の付近の様子がよく分かる。交番が狭いので、窓や入り口を画面に入れて、その先にいる人の様子まで見せることで、奥行きと活気を出している。
クライマックスは逆に、明け方で、いるのは犯人と警官だけ。捕物が終わると夜が明けて、町に活気が出てくる。
美術は成瀬作品でおなじみの中古智。伊藤雄之助はすごく若いのに、菅井一郎は全然変わらない。
「脚本家・新藤兼人」