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レット・ゼム・オール・トークのmendeのレビュー・感想・評価

4.1
期待以上。というか、好みだった。
ソダーバーグがもともと持っていたインディーズっぽさやスタイリッシュな感じが生きている。フィルモグラフィーを見ると近年も作品が多く、見逃しているのがたくさんある。今作を見て、他の映画も見なきゃいかんと思わせられた。

アリス(メリル・ストリープ)は純文学系の有名作家。授賞式に出席させたくて、あわよくば有名作の続編も書いて欲しい編集者カレン(ジェンマ・チャン)の思惑で、イギリスへ豪華客船で向かう。
同行するのは大学時代の親友二人と甥。

この大学時代の親友が、ロバータ(キャンディス・バーゲン)とスーザン(ダイアン・ウィースト)。ちなみに甥を演じるのはルーカス・ヘッジス。

この3人のベテラン女優たちのやりとりが面白すぎた。
アリスは自分の小説にロバータをモデルとしたような人物を登場させている。このせいでロバータは金持ちの夫から離婚され、今は経済的に困窮。有名作家のアリスや元弁護士のスーザンとは、雰囲気が違う。
アリスとスーザンが年齢なりにスタイリッシュなのに対して、ロバータは気合を入れたときはカントリー歌手みたいだし、気を抜いたらファストファッション。悲しい。かつての美貌もあまり効果なし。

ほかにもカレンと甥のあれこれ、同船していたエンタメ作家、アリスの部屋から毎朝出てくる男……と気になるトピックがばらまかれている。

最後のひねりもいい。
小粒ながらソダーバーグらしい、おしゃれなコメディだった。
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