真っ黒こげ太郎

ブレット・トレインの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
4.3
最悪が止まらねぇ!

殺し屋しか乗ってこねぇ!


油断もねぇ!隙もねぇ!

殺しの因果がぐーるぐる!


俺らこんな列車いやだ~♪ 俺らこんな列車いやだ~♪

生き抜いて帰るだ~♪

生き抜いて帰ったら、銭コァ貯めて~♪

京都でみかん買うだ~♪




何かと運のない殺し屋、レディバグ(”てんとう虫”という意味)。
彼は復帰の仕事として、東京発の超高速列車の中にあるブリーフケースを盗んで次の駅で降りる任務を請ける。

しかし、次々と命とスーツケースを狙う殺し屋が列車内に乗り込んできて、降りようにも降りれない事態になってしまう。
列車内で巻き起こる、様々な因縁を持つ殺し屋達の大乱闘はやがて、裏社会の男達の因縁を巻き込んだ戦いに発展してゆくのだった。




とあるスーツケースを盗む任務を帯びた殺し屋が、列車内で殺し屋達の戦いに巻き込まれてゆく、殺し屋アクション・コメディ。
「アトミック・ブロンド」「デッドプール2」「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」等で知られるスタントマン出身監督、デヴィッド・リーチ氏の最新作。

本作は伊坂幸太郎氏の小説「マリアビートル」が原作になってるらしいのですが、俺は漫画しか読まない人(爆)なので原作に関しては全く知りません。
(歳は30代手前でも精神ねんれーはまだまだ10代なんだよ。悪いか!w)
単純にデヴィッド・リーチ監督の殺し屋アクションとして本作を見に行った人の感想ですので、予めご了承ください。


そんな本作、てっきり殺し屋のバトロワ物かと思いきや、以外にも偶像劇や伏線回収要素が強め。
殺し屋が次々に出てきては、死んだり生き返ったり(爆)するのだが、長くメインになるキャラは勿論、すぐ死ぬようなかませ犬(ひどい)にも何かと細かいバックボーンが用意されていて丁寧に描かれている。
主人公もジョン・ウィックの様な無双野郎ではなく何かとトラブルに巻き込まれ愚痴を言うマクレーンタイプの人なので、以外にもアクションよりドタバタ劇要素が強め。
まぁ、小説が原作になってるからそこら辺の物語がしっかりしてるのは当たり前と言えば当たり前なんだけどね。w


正直、人やドラマが多いと「アトミック・ブロンド」みたく分かりにくい複雑なお話になるのでは…と危惧したが、登場人物のキャラは各自しっかり立ってるし、因果関係のドラマもしっかり点と線が繋がっていく感じが実感できて分かりやすく楽しめた。
ドタバタ劇が多い関係上、ドラマや会話パートも多くなるのだが、基本的に皆キャラが濃ゆいので見てて楽しい。
(何事もトーマスに例える黒人男と、CV:津田健次郎氏の口髭男の殺し屋コンビと、真田広之さん演じる殺し屋親父が個人的に好き。)

アクションも盛りだくさんで、その場にある物でぶん殴る肉弾戦や、爆破、銃撃、チャンバラ等、閉鎖空間を物ともしないバリエーションに富んだ柔軟なアクションの数々が展開され、上記の濃い連中のドラマも相まって退屈させない。


全体的にテンションも高く、見ていて純粋に楽しめる映画ではあるのだが、やはり登場人物が多い分全体的に各々の見せ場が少なくなってしまってるのはやはりネックか。
登場人物が多い分、各々のドラマも短めになってしまっており、もっとしっかり描かれてるのを見たかったような気がしなくも無かったり。
(特に真田広之さんの殺し屋親父と裏社会ボスの因縁とかそれだけで映画一本作れそうな感じだったので、もっと膨らませても良かったと思う。)
それでも、派手なアクションとキャラ立ちしてる連中の小気味いいドラマの連続は、純粋に楽しめるんだけどね。

後、本作は日本が舞台になっており、お約束の勘違い系Japanな世界観が展開されてるんだけど、そこら辺のハチャメチャっプリは少し弱いか。
どうせならニンジャとかカブキとか出したりして、もっとはっちゃければ良かったのにね。www



「傑作!」というには少々物足りない所はあるが、個性豊かなキャラ立ちの群像劇とアクションの連続で楽しかったです!!!
ツッコミ所は星の数ほどあるし、勢いで突っ走ってる感はありますが、こういうエンタメ大作は劇場で見てナンボですので、興味があれば劇場へどうぞ!!!