伊坂幸太郎原作小説の映画化先品。不運に見舞われがちな殺し屋が、「ブリーフケース」回収のために日本の高速列車に乗り込むも、同じくブリーフケースを狙う殺し屋たちと、狭い列車の中で奪い合う、群像劇アクションコメディ作品。
最っっ高にエンタメに振り切った作品。アクションしっぱなしなのかと思いきや、ガワこそ違えど、きちんと伊坂幸太郎原作らしい、濃密な人間関係と、期待させてくれる捻り展開、からの終盤から始まる、最高にカッコイイおバカアクション。主演のブラッド・ピットはじめ、登場人物たちのダサカッコイイアクションも相まって、ポップコーン片手に楽しむためのお手本のような作品でした。
そしてこれまた最っ高のウソ日本。海外から見た日本あるある（Kawaii、Wasabi、Domo Arigato、Ojigiなど）と、海外から見てもウソな日本（ウソヤクザ、ウソ新幹線、サイバー過ぎ東京、やり過ぎ京都など）が同居しているハチャメチャさ。見た目にも楽しければ、そのウソがそのまま笑いにも繋がっているので、最高です。こういうウソ日本って、レトロフューチャーみたいに一つのジャンルになるのでは、と思うほどの楽しさ。（最後の登場人？物のボトルウォーターは笑いました。）
登場人物的にも、やはりレモンとミカンは秀逸。二人の愛嬌の良さと殺し屋としての生き方が同居するキャラクターとアクション。またトーマスがらみの話が笑いどころにもシリアスどころにも使われ、さらに最後のオチにも繋がるのが素晴らしいです。
様々なエンタメ要素を足し算どころか乗算してくれた、最高に楽しい作品でした。
