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ブレット・トレインのjonajonaのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
5.0
おもしろかった!伊坂幸太郎好きなので原作準拠なストーリーラインもよかったし主要キャラを減らすことなくしっかり描き切った上でハリウッドらしいバカアクションを上乗せしている最高に『丁度いい』映画。

原作を読んだ時に最高に面白かったけど、新幹線で殺し合いなんて荒唐無稽なものは実写になるとバカらしくならざるを得ないので無理だろう…と妄想して部屋の隅で悲しくなっていたとあの頃の自分に『馬鹿野郎!バカらしくならざるを得ない、だって?ならもっとバカにしてしまえ!バカを隠すならバカだ!!』と手を差し伸べられたような謎の喜びに満たされた。

皆絶妙に服装もダサくて毒々しいし、街ではスカイツリーと東京タワーが一緒くたになって東京駅にあるし、駅のホームにおでん屋の屋台が出てるし、新幹線内でクラブがあったりバーがあったりするし、俺たちが好きだったクレイジージャパンを作るぜと宣言されてるようで序盤からハイハイと腹をきめることができた。タイトルの『弾丸列車』て文字出てきておおお!てなった。モモもんとか実際のオリンピックマスコットよりネーミングも含め可愛いじゃん。
しかし頭脳戦サスペンスみたいなものを期待させるCMの作りはいかがなものかと思うな、裏切りのサーカス的なものを期待した人も少なからずいたのでは…

ブラッドピットが渋くておバカで茶目っ気があって最高だった。しかしなによりレモンとミカンがちゃんと1番愛嬌があってナイスバディだったのが嬉しい。原作でも1番好きなとこだったから。
基本的に原作が好きだと映画見る時2パターンに別れて、赤ちゃんになるか厭世家お爺になるかで、赤ちゃんになると『わあ!原作通り!あ、原作と違うすごーいキャッキャ!』て全部嬉しくなり、厭世家お爺になると『おいおい日本を知らんのか、おいおい原作と違う!』て苦虫噛顔になる。今回赤ちゃんだったのでそもそも冷静に感想を書いてなどいない。

主要キャラ以外はモブであり終盤に至っては物理的に消えるという荒技も、日本のバカ映画で起こりがちな欠点をある種面白みとして彼らは受け取ったのかと穿って見てみると面白い。精神性まで踏襲してるなんちゃってニッポン映画の完成形を見た気がする。
久しぶりに一日2本見た。今思えば2本目に見るのに適したアクション映画で当たりを引いたな。
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