ブタブタ

ブレット・トレインのブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

某新型ウィルスの濃厚接触者になってしまい人がいる所へのお出掛けは控えていたので久しぶりの映画館。
やっぱり大画面、劇場で映画を楽しめるのははいい…( ´Д`)

伊坂幸太郎の小説って何かおっさんしかいないイメージがあって読んでなかったけど映画見て帰り道で原作『マリアビートル』即買うくらい面白かった!

「ハリウッド映画における“トンデモ日本描写”は“映画的誇張表現”と“ステレオタイプに基づく異文化観”が密接に絡み合ったもの」(マイケル・ベイ『パールハーバー』に関する記事より)

タランティーノ『キル・ビル』を筆頭に《フジヤマ・ゲイシャ・ニンジャ・サムライ》の間違った日本イメージをこねくり回して〝間違ってるのは分かってて敢えてやってる〟日本描写の最新版。
この存在しない近未来ディストピアJAPANは映画におけるひとつの舞台美術であり既に様式美。
見てて本当に楽しい。
タランティーノ映画というより、有り得ないキャラクター達のバトルロイヤルと厨二病じみた台詞と会話劇、そして有り得ない物理法則に支配された世界って、何かまるで西尾維新の小説を鈴木清順が『殺しの烙印』『東京流れ者』のあの辺の実験的アクション映画のノリで映像化したみたいに見えた。
なので最高でした。

天道虫繋がりで『JOJO第5部』をもし実写化するならこの位の規模と予算が必要だと思う。
『ブレット・トレイン』は三池崇史監督の全盛期の頃なら日本でこの位の映画撮れたかも…とかちょっと思ったりしたけどやっぱり無理よね。

『名探偵コナン・緋色の弾丸』『鬼滅の刃・無限列車編』レベルのアクションや列車大破壊を実写でやってる様なものだと思う。

『マトリックス・レザレクション』にも新幹線×富士山のそっくりな構図、列車内アクションがあって、あのシーンもっと見たかったと思ってたので新幹線内バトルを二時間フルにやってくれたので大満足。
『スーサイド・スクワッド』『ザ・ボーイズ』とアメリカで活躍する日本人女優・福原かれんさんが折角出てるのにアクションなしで只のパーサーだったのが残念。
それから欲を言えば日本人キャスト勢では主役ポジションの木村は日本人にもメジャーな人をキャスティングして欲しかったところ。

自分は異形建築マニアでもあるので架空の東京駅を筆頭にトンデモ日本の都市風景、お馴染みブレードランナー的アキハバラ、新幹線《ゆかり》が停車する各駅のデタラメさ、そして我らが真田広之が乗り込む米原駅の周りが辺り一面霧が立ち込めた涅槃みたいな光景とか、美術デザインもとんでもなく力が入ってて素晴らしいです。

それからデッドプール2繋がりでザジー・ビーツやライアン・レイノルズがたったあれだけの出番とかキャストも超豪華。

もう完全にひとつの「ジャンル映画」としてこのトンデモ日本を舞台にした映画はこれからも作って欲しいです。
ブタブタ

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