エイデン

ブレット・トレインのエイデンのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
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日本
殺し屋である木村は、目を離したうちに何者かによって息子の渉をビルの屋上から突き落とされてしまう
一命を取り留めたものの、大怪我で入院をすることとなってしまった渉を目の当たりにした木村は、やって来た父の前で犯人に復讐を誓うのだった
東京
それからしばらくして、復帰したばかりの不運な殺し屋レディバグが、仲介人マリアの手引きで東京駅へ向かっていた
同僚の殺し屋カーバーが腹痛を訴えて辞退した仕事だったが、それは東京発京都行きの高速列車“ゆかり”に乗り込み、車内でブリーフケースを盗み出すという簡単なもの
レディバグはロッカーから仕事道具を手に入れるも、銃だけはマリアの指示を無視してそのままにし、列車へと乗り込む
早速 レディバグは車内を捜索し、荷物置き場に置かれた目当てのブリーフケースを発見
見事にそれを盗み出し、次の品川駅で降車しようとしたレディバグだったが、そこへ彼に恨みを持つメキシコの殺し屋ウルフが現れる
一方 同じ列車に乗り込んでいた双子の殺し屋コンビ ミカンとレモンは、“ホワイト・デス”と呼ばれる犯罪組織のボスの息子とあのブリーフケースを京都まで護送する任務についていた
ホワイト・デスの息子は、日本の組織に誘拐され、ブリーフケースに入った大金を身代金として要求されていたが、指名で依頼を受けたミカンとレモンが16人と1人の一般人を殺害して助け出したのだ
後は列車に揺られ京都へ向かうだけの簡単な任務だとたかを括っていた2人だったが、そこでブリーフケースが盗まれてしまったことに気が付く
ホワイト・デスはかつて日本のヤクザ組織を束ねていた長峰を裏切って組織を乗っ取った残虐さで知られており、このままでは自分達の命が危ないと考えた2人は焦るが、何と目を離した隙にホワイト・デスの息子も何者かによって暗殺されてしまう
いよいよ後が無くなった2人はブリーフケースだけでも取り戻そうと車内を駆けずり回る
その頃 渉をビルから突き落とした犯人“プリンス”が乗っていると突き止めた木村も他の殺し屋達と同じ列車に乗り込んでいた
銃を手にプリンスを追い詰めた木村だったが、プリンスの正体がまだ若い女性であることに意表を突かれ、彼女に捕まってしまう
プリンスは手下を差し向けて入院中の渉を人質に取っており、木村は泣く泣く彼女の言いなりになるのだった
やがて同じ列車に乗り合わせた殺し屋達の思惑は交錯していくが、やがて自分達以外の大きな意志が裏で動いていることに気付いていく



伊坂幸太郎の『マリアビートル』を原作としたアクション映画

新幹線を舞台にした殺し屋達の群像劇を、ハリウッドが金にものを言わせてゴリゴリのハリウッドナライズ
今時怒られそうな変なジャパンを舞台にして豪華キャストが暴れ回る
日本人キャストも抑えめで本国だとホワイトウォッシュだと批判まで起きたらしいけど、面白ければ良いと錯覚しそうな程度には面白い

レディバグ、レモンとミカン、プリンスと木村
新幹線内で発生する様々な事件を3組の殺し屋達の視点から描きながら、張り巡らされていく伏線を目的地である京都で全回収する
混乱とアクション、小気味よく展開する笑いでテンポ良く進み、ラストは爽快感ある種明かしとカタルシスたっぷりのバトルシーンまで盛りだくさん
とっ散らかったように見える物語が収束していく辺りはかなり面白かった

登場人物達もやたらとキャラの立った癖の強いヤツばかりで、好感が持てるキャラもいるはず
キャスト陣もかなり豪華で、事前に告知の無かったゲストもちょこちょこ隠れてるので、その辺りも注目してほしい

一見 歪に見える様々な要素が組み合わさり、ノンストップで駆け抜けるタイトル通りの弾丸列車のような作品
原作とはかけ離れた脚色も効いてて、デビッド・リーチ監督の作風もマッチしているブッ飛んだ楽しさがあるのでオススメ
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