脳みそ映画記録

ブレット・トレインの脳みそ映画記録のレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
3.2
楽しい!実に楽しい乗車体験でした!
米原と京都の間に富士山があったり、一晩かけて東京―京都間を運行する激遅新幹線だったりとパラレルニッポンだったわけですけど。

そんな、日本のパブリックイメージも結構変わってきたんだなぁというのが大きな印象です。
その昔は『ティファニーで朝食を』のユニオシ氏のような守銭奴の出っ歯眼鏡でしたし、次にはニンジャ、サムライが現代も活躍するような世界でした。

ブレットトレインでは日本のキャラクタービジネスが描かれています。新幹線のキャラクターモモもんが登場します。キャラデザも日本人が考えたような見た目です。
まぁたしかに日本って何でもかんでもマスコットキャラクターを創造しますよね。しかも、「モモもん!モモもん!」みたいな名前を連呼する曲も実に日本らしい。
しかも、あのピンクのやつの名前は"モモもん"の"ももちゃん"で緑のやつは"モモもん"の"もももん"というわけのわからなさ。

また、新幹線の水が高いという"らしさ"もあってハリウッドの考える"日本らしさ"というのも大分変わってきているのだと感じました。

ちなみに本作でパラレルニッポンになっているのは知っててやっているとのことです。

さて、内容は伊坂幸太郎の『マリアビートル』が原作ですが生憎読んでいないので比較は出来ませんがおそらく大きく乖離しているのではないでしょうか。
アクの強いキャラクターたちが次々にブラッド・ピット演じるレディバグに遅いかかる痛快映画です。
キャラクター達が実はそれぞれのエピソードで関係していたというのは伊坂幸太郎らしさを仄かに感じました。
レディバグを襲った暗殺者は自らの武器で自滅していくのが良いですね。レディバグは本当に不幸なのかそれとも‥?

アーロンテイラージョンソンの蜜柑とブライアン・タイリー・ヘンリーの檸檬の掛け合いも素晴らしくくだらなくて良かった。トーマスの件は最高ですよ!ディーゼルってどんだけ嫌ななつなんだよ!!!
確実に『きかんしゃトーマス』を勉強してからみたほうが楽しめます。まさか『マリアビートル』を読むより『きかんしゃトーマス』を観ておいたほうが良いとは‥!

ジョーイ・キングのプリンスもめちゃくちゃ良かったですね。小悪魔、クソ生意気小娘演技が◎!これから要チェックの俳優さんですね。
いろいろ調べたら結構子役で引っ張りだこだったみたいですね。

そして、本作ではいろいろな曲も使用されていて、日本の曲ももちろん使用されてます。まず予告編でも使用されている"Stayin' Alive"は女王蜂のvo.アヴちゃんがカバーしてますし、海外でもヒットした坂本九の"上を向いて歩こう"も使用されます。麻倉未稀 の"Holding Out For A Hero"はVSヤクザのシーンで使用されてこれはテンションあがるでしょう!
一番良かったのは檸檬と蜜柑のキルカウントシーンで使用されたEngelbert Humperdinckの"I’m Forever Blowing Bubbles"ですね。めっちゃ爽やかなのにバンバン人が死んでいくギャップが良かった!!