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ブレット・トレインのMAOWのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
2.9
存在しない架空の日本を楽しむ、
ハチャメチャバカ映画として最高です笑


キャストも豪華。
Brad Pitt
Aaron Taylor-Johnson
Zazie Beetz
Michael Shannon
福原かれん
マシオカ
Channing Tatum
Ryan Reynolds



京都に住んでるけど
こんな駅無いからwww

いや、どこに住んでても無いか笑



伊坂幸太郎作品はめちゃくちゃ好きで、
全作読んでおります。



原作がそもそも、割と荒唐無稽な設定なので
映画化にあたってのファンタジー化はそこまで違和感はないです。

というか、王子可愛い。




でも、原作の良さが引き出せているかと言われれば微妙。

原作では
(伊坂幸太郎作品にはありがちだけど)
「バックグラウンドの描かれない極悪党」、しかも「振る舞いはわりと社交的」という
まさしくサイコパスを体現したような悪がよく登場する。

『マリアビートル』でいうと、それが王子。

そして、今回の王子も途中までその路線で良かったんだけど
ちょっと、父親との確執などの内面吐露が入ってしまっていたのが残念。



最後のやられ方も
これはこれで勢いあって好きだけど、
原作の後を引く怖さも捨てがたい。

伊坂幸太郎作品によくある
「クソ悪党の成敗の仕方は、読者の想像に委ねる」っていうバランスは
残しておいて欲しかったかな。




あと、木村のジジイの怖さもあまり伝わらない。

珍しく、「すぐやられる弱い日本人」じゃ無い役を演じた真田さんですが、
原作の「見るからに乱暴そうなジジイ」と「一見温和なのに、王子を拷問し殺すことには完全同意なババア」という
バランスがなくなっていたのは残念。

原作ではジジイとババアは「戦わずして怖さを知らしめる」方向性だったので。




あと
「この時代に老人を見たら、"生き残り"と思え。」(言ってない)
みたいな名言も、もっとしっかり演出してほしかった。

伊坂幸太郎作品は「妙に記憶に残るセリフ」が魅力なんですよ。



シーンとしてよかったのは
原作からの改編ではあるけど、
レモンのみが生き残ってしまうところ。

ミカンにトーマスのシールを握らせてからの慟哭は、辛い。



日本人なら、きっと原作の方が気にいるはず!
『マリアビートル』、未読の方はぜひ!!!
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