たしかにネオ東京な世界観だし日本語の台詞には違和感ある。何ならそれを観て斜に構えたレビューでも書こうかと思っていた。
あれ??あまりにも面白過ぎて、二時間が新幹線のスピードで過ぎて行ったんだが!?
脚本の世界において血管がプロットなら、心臓はキャラクターだ。この映画の心臓、非常に強度が高い。何度だって愛せるキャラクターばかり出て来る。
アクションはテンポ良く緩急を効かせて、あとはひたすら会話。この会話が何ともユーモラスで楽しく、各キャラクターに思いっきり感情移入させられる。
ブラッド・ピットは本人役でもこんなこと言ってそうで当たり役だし、他のキャラが圧倒的に愛せる。特にあのフルーツ兄弟。
そして血管となるプロットもしっかりしている。伏線回収が因果応報になっていて、結局誰も殺さない奴は誰にも殺されないのだ。
ワサビのような極上のスパイスとして、映画ファンが観て唸るようなカメオ出演も見逃せない。途中までで十分楽しめた(あいつを「パーシー」と呼んだり、あいつにゲイっぽい発言をさせたり)。なのにダメ押しで、最後にほんの一秒だけ出て来るあいつで腹抱えて笑えました。
これって所謂ホワイトウォッシュなのかな?
とは言え「そういうもの」と一定の距離を観れる自分もいた(だって日本の映画がつまんないんだもん)。
その辺のアクション映画と一緒にしたら大間違いの佳作です。非常に上手に味付けされた極上のエンタメ作品。