たいちゃん

ボクたちはみんな大人になれなかったのたいちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
渋谷系の時代を駆け抜けた若者の今。
何の変哲もない佐藤という男の、職遍歴女遍歴を2020年から遡り追う形をとるこの作品。主人公はあの名作モテキのイメージも強い森山未來が演じる。
映像メディア系会社の創設当時から働く佐藤が25年かけて昇進していく様を描くその一方で、あのかつて若くて青くて苦しい時期に出会ったあの彼女達は今どうなってしまったのだろうかと、過ぎ去ってしまったあの焦ったい日々へ、立ち止まって思いを馳せるそんな作品。
所々仕込まれてる小道具とか渋谷の場所性とかも活かされて結構気に入りました。自分もこれからこうなるのかなぁとか、これまでに出会ってきてもう連絡を取ってない人のこととか色々思い出して、でも45歳が若い女に絡むのと今の年齢で同年齢のに絡むのとはまた全然違うと思うし、綺麗さの中にも人間臭さと切なさのある話だなぁと思いました。
これで仕事が失敗してたら救いようがなかったので仕事は成功してて良かったと思う。
たいちゃん

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