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星の王子ニューヨークへ行く2のmotoyAliveのレビュー・感想・評価

4.6
Amazonオリジナル作品。
33年ぶりのまさかの続編。キャストそのままで同窓会のような気分を味わえるコメディ。

《あらすじ》
ザムンダ国の王子アキーム(エディ・マーフィー)がアメリカから連れ帰ったリサ(シャーリー・へドリー)と結婚して30年が経過した頃、父から王位を譲り受けようとしていたが、アキームの後継者問題が浮上する。彼には3人の娘がいるが、法律では男子しか王位を継ぐことが出来なく、30年前にアクシデントから生まれたアキーム本人も知らない非嫡出子の息子ラヴェル(ジャーメイン・ファウラー)を探しにアメリカへと向かう。

《感想》
30年前の作品の続編が今になって作られ、オリジナルキャストが変わらず演じていることも凄く、前作のファンならきっと楽しめる一作。110分間、前作のオマージュがふんだんに織り交ぜられているので、1は必ず見ることがおすすめ。記憶が曖昧な人もぜひ。

前作はアキームがニューヨークで異文化を体験する中で生まれるカルチャーギャップからの笑いが中心だったが、今作はアキームの息子ラヴェルがニューヨークからザムンダにやって来て、宮殿で品のない行動を取る1とは逆パターンの流れ。今作はどちらかというと主役は息子のラヴェルでアキームはあくまで支える側という前面に出てこない立ち位置も良かった。

ブラックジョークも健在で、ポリコレや人種差別、性差別、環境破壊など社会情勢を皮肉ったジョークも笑えた。さすがに時代も変わり前作のような女性の上裸シーンはなかったが、下ネタ満載のジョークもこれまた面白かった。

そして、音楽も最高。R&B, Soul, Hip-Hopこのジャンルの音楽が好きなら間違いなくハマる。Salt-N-Pepa, Gradys Knight, John Legendなど往年のスターから今も活躍するスター達が本人役で出演しているのも熱い。1よりも歌うシーン多めなので好みは分かれるかも。

前作ではチョイ役として売れる前のサミュエル・L・ジャクソンが出演していたが、今作はモーガン・フリーマンがアキームの父の生前葬の司会役として数分のみ出演しており、贅沢なモーガン・フリーマンの使い方も見どころ。

1から引き続き、悪役もそんなに悪く見えないどこか愛らしいキャラクター造形で、アキームと家族の様子も見ているだけで幸せな気持ちにさせてくれる。暗い気持ちも吹き飛ばしてくれるとにかくハッピーな映画。
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