るるる

浅草キッドのるるるのネタバレレビュー・内容・結末

浅草キッド(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

時代に漂流されずに、自分を貫き通す深見の姿に痺れた。でも、社会はそんなに甘くなく、段々と遠のく客足。テレビへ流れていく大衆、芸人。みんなが信じた世界だと思っていたが、劇場の可能性を信じているのは、深見1人だけだった。(あとは奥さん)みんなに裏切られた気分だっただろう。
あの時代の「劇場とテレビの関係性」が、今でいう「テレビとYouTubeの関係性」に似ていて、自分も裏切り行為に加担している気がして、心が鉛のように重くなった。

溺愛していた弟子のタケにもついに裏切られた。芸事の1から100まで全てを教えた弟子に裏切られた気持ちは、きっと言葉にできないだろう。しかし、師匠は不器用ながらに、陰ながらに応援していた。師弟の関係って親子の関係と似てる。いや、もっと深いものかもしれない。血すら繋がってないのに、強く太い糸で結ばれていると感じた。師弟関係なんて全くない普通の人生を歩んできた自分からすると、少し羨ましくも思った。
深見とタケを始めとする、いろんな人のいろんな物語を描いた映画。うまく一言でまとめるのが難しい。見終わった後も、いろんな感情が混在していて、なかなかうまく表現できない。
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