「ツービートのビートたけし」より「世界のキタノ」の方が馴染みのある世代。
「天才」ビートたけしはどうやって誕生したのか。タップダンスと昭和のテレビ全盛期、全部が懐かしくて全部が新鮮。夢中で見た。
どんな不遇も、どんな理不尽があっても、それでも環境を怖がらずに飛び出していく。ただ、絶対に恩は忘れない。それがどの時代でも、どの業界でも成功するただひとつの方法。
ビートたけしって、実は天才でもなんでもないのかも。いや、なんとなく、こっちがいいかも?っていう自分の第六感と、クリエイティブなセンス、それとどんなに自分が稼げるようになっても忘れないユーモア。あ、これだけ揃ってたらやっぱり天才なのか。
テンションがぶち上がる瞬間がタケがタップシューズで踊り出した時。あの音、あの音楽、あぁテンション上がってきた!テンションが上がってきたら、人生がどんどん転がっていく合図。いい方にも悪い方にも、止まることなくステップは続く。
柳楽くんのモノマネではない、何者でもないタケの演技。役者ってすごいなぁと、本当に思った。映画が始まるエレベーターボーイのタケと、時代のトップスターのビートたけしは同じ人物が演じているのに、面白いほど違って、でも同じ人間で。
ラスト、なじみの飲み屋で深見さんとゲラゲラ笑いながらお酒飲むシーンは涙なしでは見られなかった。人をおちょくって、からかって、でもその人をすごく尊敬してて信頼している。
自分を見つけてくれた恩は絶対忘れない。
そういったタケの深見をみる目が、優しくてビートたけしそのものだと思えることが本当にすごい。
師匠の深見は大泉洋。
言わせてください、
あんた、芸人だよ!
タン!とステップを踏みこんだ瞬間。
私たちの人生も動くように地球はできている。