さといも

偽りの隣人 ある諜報員の告白のさといものネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。

韓国の軍事独裁政権時代が舞台。諜報員をしているデグォンは民主化運動で時期大統領選に出馬するウィシクを監視する任務に就く。
愛国者でもあるデグォンは「共産主義」であるウイシクを逮捕することを考えていたが、生活を聞いていたりちょっとした交流を重ねるうちに彼のことをただの監視対象でなく個人として見るようになる。
そんな中、上司から彼の始末を聴いた彼は諜報員としてか人として生きるかの決断をする…。

正直見る前は「このあらすじ…、善き人のためのソナタ…?」となっていたけど、実際に観てみるとまったく別の映画だったし、韓国の事情を考えるとこういう映画が出てくるのはなんの不思議でもなかった。

あらすじだけ聞くとかなりシリアスに見えるがかなりコメディ調であり、諜報員のチームとのドタバタとしたやり取りは楽しく観れる。
終盤の「私は私の仕事をするし、君は君の仕事をする」という全てを飲み込んだセリフは好きだった。

結局彼は「人として」生きることを選ぶのだけど、作中での彼の立場などを考えるとあまりにも短慮に見えるが人間て言うのはそんなものなのかも知れない。
橋で車を止める時にやけくそめいたBGMは一周回ってあの場にあっているように感じた。

シリアスが多い題材で楽しく観れた映画でした。
さといも

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