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バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~のmanamiのレビュー・感想・評価

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「名脇役」たちが「主役」となる連ドラ、2017年の第1作から話題になりまくってるのはもちろん耳に入ってたもののまだ見られておらず、今回、この映画版で初鑑賞。
ドラマ版で活躍してた6人のうち、田口トモロヲ、松重豊、光石研らは「全身痛い」とかどうとか言いながら、劇場版でもまあまあ体も張りつつ頑張ってる。3人に比べるとエンケンさんはやや出番少なめ。なぜならフィリピンにいるからで、そこ含め面白い。
今作のストーリーとしては、若手俳優5人がメインになっている。濱田岳が自主映画を撮るって、なんかリアリティあるなぁ。どうして100人でどうしてSLなのかをとつとつと語るくだりは、彼らしさを大発揮してる。
ほか濱田組の面々に柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子。そして違和感ありまくり他メンバーから浮きまくりの役所広司!しかも音声さん!しかも下手、ド下手!誰だよ、オファー出したのw
彼らが『月のない夜の銀河鉄道』を撮っている「バイプレ撮影所」は、都内から離れていて脇役的な撮影所だから、というのが名前の由来。
元祖バイプレイヤーズのおじさん達と有村架純もドラマ『小さいおじさん』の撮影に臨んでいる。でもってこの配信ドラマ、他の出演者もとんでもないじゃないか〜。勝村政信、渡辺いっけい、西村まさ彦、本宮泰風、近藤芳正、津田寛治、菅田俊、小沢仁志。重厚感たっぷりだな!そんなおじさんたちが腰が膝がと愚痴をこぼしながらも、ビスケットあげたり、くす玉割ったり、トントン相撲したりと大活躍する。これ本当に作ってほしい、観たいよ〜。
この撮影所には他にもいろんな作品の現場があって、それぞれいかにも「ありそう」と、絶対「ないでしょ」の匙加減が絶妙だわ。せっかくだから、特に言及されなかったものも含め全作品全キャストを記しておく。
「4チャン」『CTO(クールティーチャーオニツカ)』のりょう、長谷川京子、安藤玉恵、石丸謙二郎、金子大地、醍醐虎汰朗。
「5チャン」『わたしの番です』の佐々木希、加藤諒、田中要次、堀内敬子、原田龍二、尾美としのり、林泰文。
「2チャン」『しばいであそぼ』は高畑淳子と本田博太郎。
「8チャン」『ドクターZ・5』の観月ありさ、滝藤賢一、ふせえり、寺島しのぶ、宇野祥平、岡田浩暉、宍戸美和公、森下能幸。
「7チャン」『刑事曲者』に前田敦子、でんでん、木下ほうか、渋川清彦、野間口徹、松尾貴史。
しつこく靴を舐めさせようとする「6チャン」の『大合併』はきっと日曜に放送ね。向井理、大倉孝二、六角精児。
大河ドラマ『宮本武蔵』に北村一輝、村田雄浩、岡山天音、伊武雅刀、六平直政、田中泯。
朝ドラは『べじたぶる』と『ちゃきちゃき家族』の2作。どうやら配信の大きい契約が決まったらしい木村多江、それをペラペラ喋っちゃってシメられる岸井ゆきの。吉田羊、本田望結、富田望生、小木茂光、升毅、池谷のぶえ。
ホラー映画『恐怖学校の怪談新聞』の相島一之、速水もこみち、今野浩喜。
「7チャン」『チーム7』『下北沢アルマゲドン』『冤罪』に志田未来、本田力、浜野謙太、杉野遥亮、MEGUMI、稲葉友、前野朋哉、玉置玲央、尾上寛之。
『アウトローの森』甲本雅裕、橋本じゅん、宇梶剛士、波岡一喜、利重剛、阿部亮平。
以上!局とキャスティングの組み合わせも、タイトルの雰囲気もよくできてる。これ以外は考えられないよね。
それからバイプレウッドを愛するあまり、ガパオライスのケータリングまでしちゃう天海祐希も良い役。話の中だけではあるけど、柄本明も登場しちゃう。
それにしても有村架純は可愛いなぁ〜。いろんなオジサン脇役たちと親しいのオモロ。めっちゃ掌の上で転がしてる感と、オジサン達の転がされて喜んでる感。
俳優どうしがぶつかり合う場面もちらっとあるにはあるけど、基本ずっと平和。撮影所の開放感といい、なんだかフェスみたいで楽しそう〜。
ラストに映し出される写真がまた最高。連ドラ見てなくてもこんなに感動するんだから、シーズン3まで完走後にこれを観たら、もっと胸にくるものがあるんだろうな。ますます見たくなったわ。
この作品自体が100分なのも、カンパネルラ役が風(ふう)で主題歌が『Who am I』なのも好き。エンドロール最後の最後に出るのが

この映画はフィクションです。
実在の人物・番組等とはあまり関係ありません。

っていう遊び心も大好き。

ところでFilmarksの「似ている作品」に『キネマの天地』はあるのに『蒲田行進曲』がない!作品への評価ではもちろんないけど、なんだか残念。

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