ゾロ

アラトリステのゾロのレビュー・感想・評価

アラトリステ(2006年製作の映画)
3.5
17世紀スペイン、孤高の剣士
ディエゴ・アラトリステの後半生21年間の物語

1622年のスペインはフェリペ4世の統治時代
衰退に向かっている
(最盛期はフェリペ2世)

アラトリステは傭兵として戦地に赴き、戦友や
仲間達には一目置かれ隊長(カピタン)と
呼ばれ尊敬されていた

雇い主の貴族にも、日銭を稼ぐ依頼主にも
敬意を払い自分の信念は曲げずに仕事をする
亡き戦友の遺言を守り息子の面倒をみたり
心から慕う女性も居たりかなり魅力的な人物

ただ、スペイン(ハプスブルク家)の権威が
下がりつつあるなか、プロテスタントの台頭等
統治下での反乱の鎮圧で忙しくなってくる

国内の権力基盤もぐらついている中、要人の
暗殺など都合の良い駒として扱われてくる

給料を貰えなくても仕事をこなし、
仕事内容に疑問があれば、断りもする
さらには、横領もしないし、義を重んじる
あまりにも、真の通った素晴らしい男だから
この時代を生きていけたのか?
潔白、純粋すぎて逆に信じられない

当時の服装や生活の様子が描かれているが、
全体的に青みがかった建物や風景は
寒色が多くスペインの明るくない未来を
想像させる

カトリックによる異端審問が社会に与えている
影響力もしっかり描かれている

また、ベラスケスの有名な絵画が二点登場
・セヴィーリャの水売り
・ブレダの開城

一騎打ちの戦闘や傭兵としての戦い等
見応えはあるけど、残念な戦いも二つあり

一つが、船に乗り込み戦うシーン
敵味方が…わからなく誰が誰だかわからない
もう一つが、最後のロクロワの戦い
ちょっと、何やっているか?わからない
絵画や文献からあんな画にしたのかな?

とりあえず、スペインの衰退時期を
描いた映画として事前情報を
踏まえたうえで見る分には楽しめる

スペインの歴史に興味が無いと
意味わかんねーな…となりそう
ゾロ

ゾロ