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総長の首のbluetokyoのレビュー・感想・評価

総長の首(1979年製作の映画)
3.0
怪作というか、奇作というか、異色というか、まあ、実録ものではあるのだろうけど。安藤昇さんも出ているし。ちょっと色合いが違っていて、これでいいのかと思う人がいるかもしれない。大正ロマン、任侠ものの雰囲気ではある。任侠もの自体、戦前や大正という時代設定が多い。だからだろうか、新規という感じはしない。青春ものという要素もあるがうまくいっているとも思えない。上映時間は以外に長い。登場人物が多いので見せ場を作るために長くなったのだろう。

簡単にあらすじ。
浅草である。地元の花森組と関東侠友会が争っていた。その中に血桜団というのもあった。どちらかというと花森組の傘下である。

花森組の組長(安藤昇さん)と関東侠友会の幹部、有田栄吉(鶴田浩二さん)が盃を交わしていたので、全面的な対決には至らなかった。

そんな中、血桜団の新堂卓、長谷部稔、金井鉄男が、関東侠友会の組員を射殺してしまった。

関東侠友会は報復として、血桜団の組長、八代一明を刺し殺した。

八代一明の葬式の日に次男の順二(菅原文太さん)が帰ってきた。新堂卓、長谷部稔、金井鉄男は、弔い合戦だ、と盛り上がる。順二はいったんは、断ったものの引き受けた。関東侠友会の総長、緒方を狙うことになった。

ところが、新堂卓が一人で抜けがけして、緒方に銃撃。しかし、重傷は負ったものの緒方は無事だった。

これはやばいということで、新堂卓、長谷部稔、金井鉄男、さらに、八代順二は、ちりぢりに逃げることにした。

だが、結局、全員、殺された。順二は、単身、殴り込みを掛けるが、仲裁に入ろうとして、駆け付けた花森組の組長を間違って、射殺してしまった。

破滅的な終わり方が、実録ものなのかな。

エピソードとして、売れないパントマイムの芸人さんを西村晃さんが演じていた。こういう芸ができるのかと感心してしまう。

あと、小倉一郎さん演じる蛸八である。芸人になる夢があったが、ダメだとわかった。で、血桜団に入れてくれと頼み込む。みな、散り散りに逃げようという直前のことだ。しょうがねえなあ、どうせ、散り散りに逃げるんだけど、ということで、血桜団の組員になる。
蛸八は、金井鉄男と途中まで逃げる。そのとき、鉄男から、オレは、実は、朝鮮人だから、朝鮮に帰ろうと思うんだ、と打ち明けられる。
蛸八は鉄男と別れると、運悪く、すぐに警察に捕まり、拷問を受け、鉄男の居場所を白状してしまう。警察に鉄男は殺された。
ああ、蛸八さん、なにやってんだよおお、という悲しい結末である。
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