中島貞夫監督追悼鑑賞。
中島貞夫と言えば東映やくざ映画のイメージが強いが、ご本人インタビューではたびたび「やくざ嫌い」を公言されている。
東映の職人監督であったために量産されたわけだが、作品を鑑賞していくとそのどれもが「やくざ礼賛」ではないことに気づく。
描かれるのは末端にいるチンピラの犬死であり、監督が「男の美学」のようなものに懐疑的であったことが伺い知れる。
そこが他の監督との大きな違いだろう。
主義が違いながらも仕事として依頼されれば作品を成立させ、それでいながら根底には自分の主張を反映させる。