なっすん

ホムンクルスのなっすんのレビュー・感想・評価

ホムンクルス(2021年製作の映画)
3.1
―わかっているんですよね
    ホムンクルスが
       自分自身であることを―

【あらすじ】
記憶をなくし路上生活を送る男“名越”は、研修医の“伊藤”から、怪しげな申し出を受ける。
それは10%しか稼動してない人間の脳を活性化させ、第六感を目覚めさせる手術「トレパネーション」の提案だった―

◆◆◆◆

片目を隠し左目のみに映った世界は異様な光景が広がる。そのトレパネーション手術は、ドリルを使って意識のある人間のおでこに穴を開けていくもの…という問題作。
原作の漫画で描かれた不気味な光景の映像化は、寄生獣とかで見たような、“日本産CG”感は否めない。
でも次々と畳み掛けるホムンクルスは、新感覚映像体験って感じで、ストーリーは置いてけぼりになるけれども、映像には引き込まれた。「考えるな、感じろ」を具現化した映画。考察が好きなひとは捗るのではないか。

綾野剛はいつも通り綾野剛。良くも悪くも綾野剛。
その点、成田凌は“研修医 伊藤”の二面性を上手く演技し分けていており、この人の演技は好きだなあと思ったのが正直な感想。

ラストの展開は、「え、名越はそれでいいの?」と突っ込みたくなってしまった。ハッピーエンドなのか何なのかよくわからない。

原作未読ではあるが、この世界観、テーマを2時間におさめるのはきっと時間が足りないのだろうという気持ちもあり、少し甘めに平均点+0.1ポイント。
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