広川なつき

尼僧ヨアンナの広川なつきのレビュー・感想・評価

尼僧ヨアンナ(1961年製作の映画)
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すごく好きなホラー映画のひとつになった。
ホラー映画の好きなところは、幽霊とか普通はこの世に存在しない存在や現象によって物語があり得ない方向に転がっていくから……だと思っていたけど、この映画では超常的なことはほとんど、もしくは見ようによっては何ひとつ起こらない。にもかかわらず、日常では決して見たことの無い光景がいくつも現れてくる。そのことの神秘さ。
映像も、どこまでも白い世界だからこそ当たり前にそこにある影がとてもきれいだったり。
集団で悪魔に取り憑かれた尼僧たちが放埒に振る舞う様子があまりにも楽しそうで、それに一人一人がまた違った動きを見せるのが、それでいて空気を読むような部分も見せるところ、全部が悪魔というよりもどこまでも人間らしくて尊い。
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