生活の糧

くれなずめの生活の糧のレビュー・感想・評価

くれなずめ(2021年製作の映画)
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映画「くれなずめ」を見た。
仲間の突然の死から5年、それぞれの生活の中で、ふと頭をよぎるものが「吉尾」だった。
思い出すきっかけは、所々にあってFacebookの誕生日通知だったり、3秒ルールで拾ったお菓子だったりする。
その度に悲しいとは違う、なんだかもやもやしたものを抱えてしまう。
忘れたい訳じゃないけど、もう亡くなってしまっているのだから、どうすることもできない。
もやもやを抱えなくてすむような答えがどこかにあるんじゃないのか。あの時こうしていたら。

そんな思いが吉尾を作り出し、映画の中には吉尾へよ思いが溢れてパツンパツンになっていた。

前田敦子演じるミキエとのやり取りが素晴らしかった。
「生きてても死んでても全然変わんねぇよ!お前は吉尾だよ!」というセリフがあって、大事に思う気持ちはいつまでも変わらないという事だと思えた。

場面転換や一部超展開とも言える描写があるが、気にすることはねぇ。5人がまた吉尾と会えて遊べたんだから良かった。と思わせてくれる。
違和感よりも嬉しさが勝つ。松居大悟大勝利だと思う。

最後に5人が迎えたくれなずんだ空は、少しずつ夜空の藍色に染まっていくように見えた。
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