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世界で一番しあわせな食堂のjamのレビュー・感想・評価

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)
3.9
Mestari Cheng
この映画の原題が表すように
まさにチャンは"マスター=達人"なのだ

「医食同源」の本場中国、上海で名コックとして活躍した彼の手にかかれば
"危険に生きる"と嘯きつつの不調も
みるみる回復していく
生理痛や胃痛には
温かい薬膳スープをよく噛んで

そうして
ラップランドの田舎に住む人たちの
体も心も解きほぐしていく

食堂の女主人、シルカ
ひょんなことから受け入れた寡黙な彼と
息子のぎこちない関係を彼女は感じ取る

そう
この優しい物語は
ソーセージやポテトばかり食べていた
北欧の人たちの身体を癒しただけでなく
心に傷を抱えたシルカ
深い喪失感に包まれた父と子を
再生していくお話

"マスター"は自分自身の回復には不器用だったけれど
芯の強さと眼差しを持つシルカによって齎される健やかな愛情が
いつしかしあわせの輪を広げる


"崖っぷち北欧メタル"の「ヘヴィ・トリップ」では
ギタリストが家業で解体していたトナカイ
ここではチャンによって"トニャカイの香草焼き"に♪
絶品の"魚味の魚"もあります



美味しい料理は人をしあわせにする

観ている私も
えも言われぬ白夜の悠々たる自然と
湯気立ち登る絶品薬膳料理から
いつしか身も心も解されて
jam

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