くりふ

惑星アドベンチャー/スペース・モンスター襲来!のくりふのレビュー・感想・評価

3.0
【映画史上初のアブダクション】

最近読んだ「なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか」というノンフィクションにて、本作で初めてアブダクションが描かれた、と紹介されており、興味を惹かれてDVDで。アメリカン・アブダクションの母(笑)、ベティ・ヒル夫人も本作をみていたそうで、ヒル夫妻誘拐事件の証言に、何らか影響を与えたのかもしれません。…だと面白いな。

成程、宇宙人に拉致されて、身体に何やらアレされ帰される…というアイデアは、確かにヒル夫妻以降の、誘拐体験談の原型となったのかもしれません。…なら楽しいな。

しかし映画のデキとしては「考えるな、感じるんだ!」の境地で臨まないと、憤死します。現実性との正誤表を作ると、ワンピース一巻分くらいの頁数にはなりそうです。ツッコムことに耐え、やがて現れる宇宙人たちに大爆笑するのが、お勧めの賞味法ですね。まさかこんな所で、宇宙仕様の欽ちゃん走りを見られるとは思いませんでしたけれど。

邦題(SFブーム下でのリバイバル時に命名)は、きっと火星人視点のものなのでしょう。確かに彼らにとっては、他の星での冒険です。が、地球人視点だとそうとう無理無理。個人的には「恐怖の裏庭蟻地獄/でも離れてれば全然大丈夫」というような趣きでした。

1953年の作。宇宙人の侵略理由が、あからさまに冷戦の影響という感じで可笑しい。とりあえず、T・フーバーのリメイク版もみてみたくはなりましたけど。なんか楽しそうで。

美人女医役のヘレナ・カーターさんが、50's SFらしい控えめなロケット巨乳で素敵です。やはり50'sらしい、口元に手を寄せる悲鳴ポーズも決まっていて、まんま壁に飾りたし、です。

<2010.1.21記>
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