もとまち

惑星アドベンチャー/スペース・モンスター襲来!のもとまちのレビュー・感想・評価

3.5
宇宙人にボディスナッチされてしまった人間たちの描き方が生々しくて怖い。姿形は同じなのに何かが違う。佇まいだけで「あ、この人はおかしい」って分かる感じが絶妙。元々3D映画として企画されていたこともありどのセットにも不必要なほどの奥行きが存在している。特に警察署内のパースがとち狂ったような空間設計は強烈。長すぎる廊下。高すぎる天井。悪夢のような位置関係の歪み。ヌボーッと佇む署長もめちゃくちゃ気持ち悪い。人間じゃないと一瞬で分かる演出の見事さ。少年の視点でジワジワと侵略が進行する前半は楽しいのだが、軍人のジジイが出てきてからは軍と火星人の戦いにシフトしてしまってかなりダレる。戦いと言っても戦車の記録映像を垂れ流すだけだし、周囲の大人は突っ立てるだけで特に何もしない。いざ宇宙船内に乗り込んでも、変わり映えのしない洞窟のセットでダラダラ戦ってるだけですげー退屈。でもまあ宇宙船内のレトロなセットは素晴らしいし、チープな火星人も味があって好き(気怠そうにノソノソ歩くところがキュート)。
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