とりん

TOVE/トーベのとりんのレビュー・感想・評価

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
3.1
2022年83本目

ムーミンの生みの親として知られるトーベ・ヤンソンの半生を綴った物語。
ムーミンがどうやって生まれたかとかを描いていて、割と明るめな物語を勝手に想像していたので、思っていたのと結構違っていた。
彼女は著名な彫刻家の娘として、芸術の道を進んでおり、まだまだ売れていない画家として励んでいる傍ら息抜きで描いていたのがムーミンだった。ムーミンが売れていく過程を一部見せてはくれているものの、ムーミン自体がどう生まれたかとかは特に語られていなかった気がする。その中の一部のキャラクターは自分を重ねてたりしてたけど。
ムーミンよりもトーベの人間性や恋愛についてが濃く描かれていて、ムーミン目当てだと思ってたのと違うとなるかもしれない。
ストーリーとしては悪くないんだけど、行間読んでくれって感じで説明的なところは特になく、魅せるところは魅せてくれるが、割とテンポ早く進んでいく。もう少し全体的に丁寧に各々のシーンを落とし込んで描いても良かったのではと思ったり。100分程度でまとまってるので観やすさはあるけど、それでも長くして掘り下げた方がくれた方が伝わりやすい気はする。
クセが少しあるかもしれないが、少しオシャレじゃないけど、独特のダークな感じが全体にあって個人的には割と好き。観てる人によっては退屈かもしれないが。大きくまとめすぎるとあれだがヨーロッパ映画っぽさはよくあった。
嫉妬は思考の邪魔になるという言葉は印象的だった。
とりん

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