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TOVE/トーベのあのレビュー・感想・評価

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
3.2

芸術家としての理想像と、父へのコンプレックスを抱きつつ、絵本作家として生活する現実に矛盾を感じるトーベは、ヴィヴィカやヴィルタネンとの"愛"に於いても、同様にどかしさを膨らませ、葛藤している。

ムーミン作品は好きでよく観ているが、愛と葛藤の人生であった作者のことは何も知らなかったんだなと、つくづく思う。

最後のシーンで「新たな旅立ち」という油絵を制作しているところで終わる。これも葛藤を乗り越え、再び前向きに自分らしく歩き出そうとする、トーベの人間味のある生き方が感じられ、終始彼女の可愛らしさに惹きつけられた。

やっぱりトーベありきのムーミンだなと、深く感じさせられる作品だった。
あ