鵜森ハチカ

閃光の鵜森ハチカのレビュー・感想・評価

閃光(2018年製作の映画)
3.8
率直に言うと、「よく出来たしんどい短編映画」。これは褒め言葉。

映像作品は短ければ短いほど、どこを無駄なのか見抜く力が監督や脚本家には求められるけれど、この映画に関してはそのスキルはピカイチだと感じた。無駄がなく、本当に必要なエッセンスだけが詰め込まれた失恋映画。

だからこそ、観ているこちらからすると「しんどい」と感じざるを得ない部分が多くなってしまう。

特に、踏切のシーンから夜中の部屋のシーンまでは、20代を終えるまでにそこそこ長い恋愛を経験し、自分の心のうちを相手に曝け出す経験をしたことがある人にはものすごく刺さるはず。逆にこれを「メンヘラに捕まったモテない男の話」と捉えられる人は、本当の寂しさや虚しさ、哀しさを経験したことがない、幸せな人なんだと思う。

いずれにせよ、役者さんの演技がなければ成立しない映画。生っぽいセリフをリアルに口に出来る役者さんはそんなに多くない。
鵜森ハチカ

鵜森ハチカ