友二朗

ライフ・ウィズ・ミュージックの友二朗のレビュー・感想・評価

4.8
「愛してるから」

溢れんばかり、魂の音楽。

俄かに信じられないほど良かった。
堂々のオールタイムベスト入り。

自分が遥か昔に生きる芸術家だとして、タイムトラベルをして2022、この作品を観たら「自分の紡いだ歴史は間違っていなかった」と涙を流せるだろう。それほどまでに完美な芸術が、未来に繋がる"音楽と愛"がそこにはあった。

だいぶ賛否分かれると思うし、確かに批判要素も理解できる。でもいいもん。誰が何と言おうと大声で「好きな作品」だと胸を張れる。

邦題のセンスに絶望。
絶対「Music」でいいやん。

キャストの演技には流石としか言いようがない。一人一人が全力で記憶にしがみついてくる。特に映像のほとんどを占める笑顔。その笑い方、切り方が自然すぎて思わず自分の口角も引き上げられた。

周りの優しさや苦痛の表現も素晴らしかったが、彼女を映すに当たってはその苦しみではなく、彼女の希望溢れる無垢な世界に浸れる芸術としての意味合いが強かった。

見え方、聞こえ方の説明シーン
これほんまに鳥肌立った。自分の概念がぶち壊された。その世界を挟まれるMVを通して表現されているが、なんとゆうか、自分の見る事ができる世界は限られていて、思ったよりも世界は無限に広く、限りなく美しいという事実を鮮明に叩きつけられた。

もはや少し困惑している。
この気持ちをどう表現したらいいか。
太陽に向かって目を閉じて、暗いのに眩しいみたいな、そんな感覚にずっと陥っている。ありがとう。

映像がとにかく凄い。
美術スタッフ本当にお疲れ様でした。
あのPVの発想は何処から来るのか。これからは"天才"という表現をむやみに使えなくなってしまった。ファッションセンス凄すぎでしょ..。膝ににこちゃんがあるハイソックスがお気に入り。フェリックスのスーツも良かった。

SIA渾身のミュージック&ファッションムービー。自身のMVも監督している彼女。初めから映像表現に対する不安要素など微塵も感じていなかった。

今作のために書き下ろした12曲はどれもたまらんかった。幸せだあ。

しかしまさか物語の構成、台詞に至るまでの素晴らしさ。何より映画としての魅力をこんなにも放たれるとは。

初めての監督として行きたくなる、やりたくなるような事は多々あるが、彼女はそれにウインクでもしながら素通りし、愚直にテーマを磨いている。これは勝手な想像に過ぎないがそれほどまでに出色の出来だった。

手振れのタイミングと表現良かった。

パンフレットを即買いした。

「頭を丸めて」と頼まれてワクワクしながら「もちろん」と即答したケイト・ハドソン。シンプルに演技に感じられなかった。いやほんと凄い。

ChandelierのMVで度肝を抜かれたマディがまさか映画のメインキャストとして出てくれるなんて。「SIAが関わることは何でも、永遠にやってみたいと思っている」ぐああ良い人生!レッスンとリハの大変さが書かれていたが文句なしの素晴らしい憑依だった。

作中のクソ適当な番組最高すぎる。
シリーズ作って欲しい笑

エボ良い人〜。

ミュージックの他にたった1人、フェリックスだけが持つ「聖なる星の子」の意味。自分もこうでありたい。しかし難しい。

SIAとの出逢いは高校の時に電車の中で聴いたChandelierとAliveだった。あの感動ときたらもう凄かった。それからもうずーっと聴いてるし大好きです。

彼女の送ってきた苦しい人生だからこそ。
自分の送る苦しい人生だからこそ。

隣の人に最愛を。
読んでくれてありがとう。

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ゴールデンラズベリー四冠。

まじ?あれ自分が変なんかな。
割と忖度なく観れたし感じれたと思うけど、自分が心配になった。

受賞した中でも主演女優賞と助演女優賞だけは絶対ちゃうと思うけどな。

そのくらい注目されてたって事にする。

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「oneからtenまで
 音節が2つなのはsevenだけ」

「あの子にはあなたしかいない。
 愛と助けを必要としている」

「同じだけど正反対ね」
あれをハイと表現する。この攻め姿勢良い。

「君にはダークサイドがある」

"私は嬉しい"

「変化を嫌がっているとは言っていない
 変化が難しいんだ」
深い。

「世界の捉え方がかなり違う」

「私はクランベリーソーダで酔っぱらうから」

「だったらもう帰らなきゃ」
「たぶん そうだな」
このシーン良かった〜。

"美しい奇跡はどこでも起こり得る"

「売人も復興支援に協力するの」
本人出てたこのシーンのこの台詞。
これ実際の事なんかな?色々凄い世界。

"国境なきポップスター"

「君が何のために闘うのか
 誰のために闘うのか 僕は知らない
 でも君がここに来た事を
 僕は誇りに思う」

「いつも自分で台無しにする
 なんで こうなの?
 自分にウンザリよ」

「君が歩む大地に僕はキスをする
 こんなにも愛してる」

「歌え!」

「愛は複雑なものだ
 愛を知っていると思ってた」

「どうやって人を愛するのか
 学んでいるところよ」
「僕も同じ」

「A FILM BY SIA」
友二朗

友二朗