回想シーンでご飯3杯いける

ライフ・ウィズ・ミュージックの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.2
オーストラリア出身の女性シンガーSIAが初監督を務める映画。本人はあまり積極的に顔出しせず、声とビジュアル・イメージで自己表現するスタイルなので、この映画にも本人は登場しない。これまで映画と縁のない人だったと思うが、確かに映画の、特に裏方として適正は高いように思える。

アルコール依存症の姉と、自閉症の妹の2人によるアパート暮らしを描きながら、2人の心の声をファンタジックなダンスシーンとして挿入していく。そのダンスも、ありがちなミュージカル映画とは一線を画す、いかにもSIAらしいカラフルな世界観で、他では観られないオリジナリティに溢れていると思う。

そうした、瞬間、瞬間の楽しさに対して、映画全体としてはどうにも掴み所が無い散漫な印象が残る。観た人が感じるままに、、、だけではなく、それをグイっと引き込むような仕掛けがあれば良かったのに。