ボギーパパ

キャラクターのボギーパパのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
3.9
劇場2021-37 新宿P

これも観るか見送りか迷った作品。
でも劇場で観てよかった!
想像の遥か上いく作品。いい意味で随分裏切られた。

序盤の展開は概ね予告編からの想像通りというか、ふむふむっていうところ。

ところが中盤から物語を思い切って展開し、さらに「展開」している。別視点からのストーリー展開に打って出ている。普通のこういったジャンル映画はサスペンス感をキープして、ハラハラドキドキのみで突っ走るところを、一旦解決へ向けてその方向へ進むのか?って思わせたところそこで裏切る!これはなかなかできることではないし、観ている側の心を再びグリップし直す。

また、冒頭から中盤にかけての様々なシーン、セリフに散りばめられた伏線をじわっと回収していく手法も、これまでのサスペンス作品とは異なるところ。好きですこういう「裏切り」!(あの「4人」の件はすぐ読めましたけど(^^))

そしてラストは想像させる!
『seven』ばりのラスト。このラストシーンを観るには、映画館で同時に見てる人が一斉に息を呑む感じによってしか得られないのでは?映画館でないと味わえない感覚を享受させてくれる。

それもこれも今をときめく菅田将暉、小栗旬、高畑充希の芸達者の存在に加え、セカオワのFukaseの好演が醸し出す効果だろう。不気味な存在感は空洞のような「目」のチカラか、それともコキコキッとする立ち居振る舞いか。これが映画初出演とは思えないくらいの演技。今後もシリアルキラー役しか来ないのではないかと心配になるくらいの好演。

想像の遥か上をいく作品観賞後に感じる幸せって良いものですね。コレは劇場鑑賞をおすすめいたします。

追記:グッジョブポイント

現実の事件を想起させつつも、完全一致させない脚本演出。

ステレオタイプのシリアルキラーではない点。殺人をエンタメ化していない点が『復讐するは我にあり』以来かも
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