アキラナウェイ

キャラクターのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
4.0
はい、どぉ〜も〜。
オリンピックを1ピックも観ない人。
それは僕です。
僕のTVはサブスクとBlu-rayを映すだけに存在しています。

オリンピック選手の皆さんの頑張りは素晴らしいと思います。ただ、僕はそれ以上に映画が観たいのです。

そんな僕が珍しくTVを点けた時に、本作の番宣として菅田将暉くん、Fukaseくん、中村獅童氏の対談をやっていて。

本来音楽家であるFukaseくんの演技力たるや如何なものだろうと、興味が湧いたので劇場へ。

高い画力がありながらお人好しの性格が災いして、真の悪役を描けず、万年アシスタントに甘んじている山城圭吾(菅田将暉)。そんな彼が殺人現場で目撃した殺人犯、両角(もろずみ/Fukase)。山城は彼をモチーフにした漫画を描き、その作品は大ヒット。しかし、やがて山城が描き上げたストーリー通りの連続殺人事件が起きてしまう—— 。

それは描いてはいけないキャラクターだった。

僕、昔は漫画家になりたくて。
絵を描くのも好きで。
「AKIRA」の原作を読んだ時に、大友克洋の画力に圧倒されて、その夢は諦めたけど。

今どき、漫画もデジタルなのか…。
アシさんも、仕上がったらオンラインで送ってくるんだぁ、などと思いながら鑑賞していて。

Fukaseくんの第一声。

ファーストインプレッションは、
声がいい。
流石ボーカリスト。

両角の瞬きしないような感じ。
首を変な風に傾げる感じ。
あ、こいつヤバいと思わせる演技に惹き込まれる。

菅田くんは勿論基本的に演技が上手いけど、下手したら彼を食ってしまう程の存在感がFukaseくんにはある。

小栗旬の、常にスマホを覗き込む様な角度に首を曲げ、わざわざ上目遣いにする演技がわざとらしくて気に入らない。

「風の谷のナウシカ」のアスベル。
「もののけ姫」のアシタカ。
ジブリのイケメン声と言えばこの人。
松田洋治がめちゃんこヤバそうな風貌に成り果てていて二度見した。

Fukaseくんの演技についてもう少し。

終盤で両角が感情が爆発させるシーン。
「感謝の言葉もくれない!!」という台詞を発するシーンに、身震いして、一筋涙が頬を伝った。

その前の「殺人の後って2日寝込む程疲れるんだよね」の台詞が妙に説得力があって、あ、コイツの言っている事は正しいって思わせた後の大声を張り上げる場面で震え上がってしまった。

少なくとも小栗旬よりは演技は上手いんじゃ…。

グロ描写も邦画としては高いレベルだけど、肝心の殺害シーンは割愛されており、韓国映画を見倣って欲しい。そもそもひょろひょろした両角が、出刃包丁のみで4人家族を惨殺出来るスキルがあるというのも疑問だし、毎回血だらけの緑のジャージでアパートまで帰ってくるのに、一度も警官に呼び止められないのも不自然。

なーんて、ツッコミ所もあるけれど、前述のFukaseくんの演技力と予想外の展開もあったりで、攻めの姿勢の邦画が観れて満足したなり。

劇中漫画の「34(さんじゅうし)」、読んでみたいなぁ。そして小栗旬が使っていたリュックは、僕も通勤用に欲しくてずっと目を付けていたやつだった。ポチるか…!?