RAMPO

キャラクターのRAMPOのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
3.9
邦画は、過度の期待を抱かない様、意識的にハードル下げて観るようにしてるんだけど、本作は中々にスリリングで観応えがあった。

例によって粗筋は知らないまま観るのだけど、最初は漫画家としてリアルなキャラクターを描けない主人公(菅田将暉)が、その葛藤・ストレスから人格を分裂させて事件を起こしてる自作自演モノかと思った。
現に演出もそうした観客の錯誤を期待するかのようなものに感じたし、ぎりぎりまでその方向で引っ張るって展開もありな気もした。
実際には殺人鬼は別にいた訳だけど、その人物設定が結構凝ってるし、その殺人鬼を演じたFukaseがリアルに気持ち悪い。

これにもう一人、過去に殺人を犯して服役していた者が警察が追う容疑者として絡んでくるが、その過程で小栗旬さん演じる刑事の退場はかなり衝撃的だった。

全編にわたって心地よく緊張感を持続し、展開も飽きさせないし、突込み所は皆無じゃないけど許容できる範囲で、これは邦画サスペンスとしてかなり面白いって思う…クライマックスを除いて。

…流石に警察のガード薄すぎ、駆けつけるの遅すぎ。あと“止める為”仕方ないとしても(またチョッキ着けてるの知ってたとしても)撃つかね、普通。
話を盛り上げる為にこの展開は不可欠なんで許してねってのは、観客に甘えすぎな気がして、この部分だけ詰めの甘さが残念。

まぁ、良作だとは思うので、観て損はないと。
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