このレビューはネタバレを含みます
設定がガバ過ぎる。いくら創作物といっても現実味が無い。
雰囲気でサイコ感を演出している映画
とにかく主人公の虫が良い。
「サスペンス志向なのに善良すぎて新の悪人が描けず、リアリティの無い作品しか創れない」だからたまたま居合わせた殺人事件の犯人をモチーフに漫画を描き、大ヒットしたわけですよね。
自分の利益の為に唯一の目撃情報を秘匿して、実際の殺人事件(しかも未解決)を細部まで写実的に描いた不謹慎極まりない漫画で飯を食って良い家に住んでおきながら、自分の女房に危害が及ぶ可能性が出た途端に連載辞めて手のひら返し?一番始めの時点で警察に全て話していれば、後の犠牲が少なくなる可能性だってあったのでは。
良い人すぎて悪人が描けない、という設定も、自分の損得勘定で殺人犯を野放しにした時点で信憑性が損なわれている。
2つめの殺人が起きた後に警察から疑われて、良心の呵責なのか目撃情報を隠匿した事への後ろめたさなんなのか顔を顰めているような場面があったが、ちょっと考えれば「実在の殺人現場をテーマに描く事のリスク」くらい分かるだろうと思った。
犯人のキャラクターもステレオタイプなサイコパスという感じでした。
良いと聞いていたFukaseさんの演技は本当に良かったです。
現実味が無いのは主人公の漫画というよりこの映画全体です。