まゆ

キャラクターのまゆのネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

想像の15倍良作だった。

転から想像を超えまくってくる
小栗旬が殺されたあたりから、菅田将暉が「自分を囮にすんのか!」って頭のイカれたことすんのに、それをフツーにフカセが超えてくる!そこまでの描写で「俺だったらもう1人いる設定にするなー」とか思ってたけど、それをまさかの双子!まんまと騙された。フカセがほんとにヤバいやつなんだなってのと同時に、それを殺そうとする菅田将暉がまた…。菅田将暉も最後で、フカセの「キャラクター」になっちまったんだな…。ふかせはすだ。そこから刑事さんが撃つのも刑事さん分からないなりに勤めを果たしたなって思ったし、高畑充希も小栗旬も、主人公をしっかり励ましてくれる。捜査の中っていうフォーマルな状況で、「売れたのは体験だけじゃないと思う」っていうセリフが出てくんのも凄いし、高畑充希も主人公の漫画が凄いって言ってくれて、身内ならではの温かさだよなって思った。そういう意味でホントにモブとかただの役割役がいなくて、キャラクター描写に力入ってんな〜と思った。
あとミザンセンも基本的なことだけど、しっかりと演出が考えられてて良い!フカセの部屋とか編集部、渋谷の誇大広告とか、カラーリングの対比と主人公の影響力の強さが細かいセットに及んでて変化が分かりやすかった。ホントにセットデザインに拘りあったなあ。あと印象に残ってんのは、獅童が死体安置所にいる時の照明。よくあるけど、あの被写体を影にしてハイキーの無機質な照明で彼の心情描写がわかる。あと駐車場の長回しはフカセへの期待、不安が上がるし、心情が揺れる時に手ブレのある撮り方も良かった。
エンディングも非常にハマってました。キレのある、毒のあるテンポ。あとフカセが殺人を作品作りと捉えていたの、ACAねさんが「ずっと真夜中でいいのに。」っていう作品を作ってるのと関係あるのかなあ。
総じて完成度の高い作品でした。
まゆ

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