消々

SLEEP マックス・リヒターからの招待状の消々のレビュー・感想・評価

2.0
眠りは究極にプライベートだと思っている。意識のない無防備な状態に陥るわけだから、それをさらけ出せるのは、守られた空間/関係性の中だけだと思っている。だから野外の、しかも屋根もない完全な「外」で、寝袋でもなく枕とブランケットで眠りにつく人たちを見て、まず驚いた。
でも演奏が始まると、まるで音の膜が張られたような、音楽に守られているような気分になる。家の中で見ていても、語りの部分は「硬い」のに、演奏のシーンになると「音の繭」に包まれている気分になる。
音楽が空間を作っている、という感覚。
これを現場で体験できた人たちの、なんと幸運なことか。
夜が明けつつある中、参加者たちはまだ眠気を残しつつ、どこかもったいないような、終わらせたくないような、そんな表情を浮かべていたのが印象的だった。
消々

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