あ、これぶっ刺さる映画だ。
映画を観ててそんな事を冷静に感じる作品って年に数本あるのだけど本作はまさにそれ。
石橋ユウ という同じ名前で10歳の男の子3人とその母親たちの物語が並行して進行する。
ある日1人の石橋ユウ君が母親によって殺される。
神奈川、静岡、大阪と交差するはずのなかった3人。ユウさんを殺したのは一体誰か。
それぞれの家庭は幸せに見えつつも子供を育てる大変さは勿論、加えて環境による苦悩が重なりそれぞれにストレスがかかる。
先ず、母親役の3俳優の演技が凄かった。それぞれで環境が違うからこそ別々の母親像が差別化されていて見やすく、リアルに描いているからこそ身近に感じられたし、その分とても胸が痛んだ。
加えてそれぞれの息子ユウ役の子役達の演技、特に静岡の優くんにはまんまと揺さぶられた。とんでもないな…
生活的余裕も三者三様なのだけど、どれも最初は幸せとして暮らしているのに小さなストレスなどでポロポロと崩れていく様の描き方も良かった。
いろんな角度からの子育ての難しさ、生きていくことの大変さが感じられる。
最後の展開としては去年観て気に入った作品と同じ展開だったのでそこまでの意外性はありませんでしたが、この手のやり方は好きなので個人的には有り。
10歳の男の子が母親に殺される話なので気持ちの良い物語では無いけど勧めていきたい。
