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Mr.ノーバディのtakatoのレビュー・感想・評価

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
4.1
編集や見せ方が上手くて愉快な作品だが、まだ充分乗車してない内にジェットスター走り出して、最後までしっかり乗れなかった感じ。ちゃんと乗れてないのにぶっ飛ばされても「あ、危ない!」ってなって十二分にはとても楽しめない。


 「ジョン・ウィック」の犬を殺されたからという理由でぶっ殺した相手がマフィアのボスで〜というのもズッコケた動機だったが、それを超えるのがこようとは…。「なめてた相手が殺人マシーン」映画は、なめられることで怒りが溜まりに溜まる過程が大事だし、それが爆発する発火点たる動機が重要である。


 こういうジャンル映画でも、そういう脚本のポイントを外してしまうとイマイチ燃え上がることができない。記憶に残るジャンル映画の良作は地味にそういう所を外さない。


 本作に限らず、とにかくスタートダッシュを早めにしないと客が退屈する!と恐れすぎてる作品があるが、「急いては事を仕損じる」。早めにバトルモードに入ってずっとバトルバトルだと、ヨシキさんが指摘していたがおんなじ味でずっと押し続けることになって麻痺してきてしまう。物語の求心力や推進力不足だとなおさらそうなる。


 主人公だけでなく、爺さんな親父さん役のドク…じゃなかったクリストファー・ロイドや、黒人の相棒も、なめられになめられそうな立場なのに勿体ない…。あと、この手の作品では敵を魅力的に設定するのが難しい場合が多いが、本作もそこはあまり上手くいってない…。嫌いな作品では全然ないが、そこまで評価できる作品でもなかったかな。
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