まーしー

Mr.ノーバディのまーしーのレビュー・感想・評価

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
3.0
“火曜日、ゴミ当番。愛車は路線バス。地味な男が派手に、キレる。”
このキャチコピーが全てを物語っているだろう。
家庭に居場所のない冴えない中年男性が、バスで遭遇したトラブルをきっかけに、ロシアンマフィアと対決するアクションムービー。

主人公は決してスマートな男ではない。むしろ、相手の打撃を受け倒れるなど、戦い方は泥臭い。
ただ、「表の顔」と「裏の顔」のギャップに中毒性を感じる。普通のオヤジかと思いきや、キレた後は敵に容赦ない。その暴れっぷりは観ていて心地よいほど。
この振れ幅の大きさに惹かれる方も多いのではないだろうか。

物語自体は壮大なものではない。
中年オヤジとマフィアのリベンジ合戦ながら、規模感は日常に起きたトラブルの延長線上。
また、戦いの舞台もバスや自宅、敵のアジトなど、極めて限定的。
このように、あまり風呂敷を拡げず、90分程度でコンパクトにまとめ上げているところに好感が持てる。

マフィアを相手に戦える主人公は、果たして何者か。もともとは政府機関の「会計士」とされているが、詳しくは明かされない。
きっと「会計士」という職業は、暗殺者を示す「掃除屋」のような隠語なのだろう。
主人公の父親も銃をぶっ放す高齢者であり、ただ者でないことが想像できる。
今後、こうした秘密が明かされるような続編を希望したい。

一緒に鑑賞したSakiさん、スカッとしましたか??