牛猫

哺乳瓶の牛猫のレビュー・感想・評価

哺乳瓶(2016年製作の映画)
2.9
赤ちゃんにミルクをあげようとしている男性が哺乳瓶の口を探して家中を探し回る話。

途中までのコミカルな雰囲気とは打って変わってかなりブラックな結末だった。
セリフはないけどタイマーの音やピアノの音色など、音楽と効果音が上手く機能していた。
何故そんなところに、という部分には一切触れずに蜘蛛の糸を辿るように家具を片付けていく。しかし納得できるのは最初の哺乳瓶の口までで、その後はありえないようなものばかり。エアロバイクとか、自転車とか、どれだけ酔っ払ってたとしてもあんなところに置かないだろうに。ワンパターンなようだけど、冒頭と最後の衝撃を際立たせていて地味に巧みな構成。

母親はどこにいるのか。ピアノを弾いているのは誰なのか。男性をあのような行動に駆り立てた原因はなにか。そもそもあの男性は父親なのか。短いからこそ繰り返し観ながら画面に映らない部分の想像を膨らませるのも短編の楽しみ方の一つだ。

最後の男性の表情も秀逸。ジャケットもおしゃれ。面白い短編だった。
牛猫

牛猫