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心の傷を癒すということ《劇場版》のdecapのレビュー・感想・評価

4.0
人の心を救うことに執心し、阪神淡路大震災で被災した人の為にも奔走した実在の精神科医の人生。
自身のアイデンティティの模索から始まり心の救いに気づくまで、人との出会いや関わり方が丁寧に描かれていて見応えがある。特に人の気持ちを追求したくなる人格が『東京物語』を見返す行為で描かれるのが面白い。ジャズの趣味も“語り合い”に繋がるようで事実なのだろうが憎い演出。
人に寄り添うこと、独りにさせないこと、人への語りかけ方とその内容、心を開く行為のデリケートさ、そして精神医学の真理に気付くその光景の些細ながら美しい描写には感動した。
難があるとすれば、ドラマの再編集だからエピソードの詰め込み感が否めず余韻が少ないのが残念。恐らくより丁寧で繊細であろうドラマ版も観たい。
世武裕子の音楽も良い
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