てれぴん

ハウス・オブ・グッチのてれぴんのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.5
「実話にインスパイアされた物語」の通りで再現ドラマじゃないなという印象。良くも悪くも役者にキャラクターが食われている感じがした。

実際のパトリツィアはもっと強欲に物理的にお金と名声を求めていたんだと想像するが、映画ではどうにも愛とプライドのためにやった感が出ていて、そこは映画の方向性なのか、レディガガ自身の人格が滲み出ていたのかなと思った。
マウリツィオにしても、結構アダムドライバーに引っ張られていたんじゃないかというか、途中で製作者(監督)の関心が完全にパトリツィアからマウリツィオに移ってしまっているように思えて面白かった。

アルドとパオロの組み合わせが好きなのと、ジェレミーアイアンズのハイソな感じも良かった。
アレサンドラに全くフォーカスが当たってないのはどうかなと思うが、尺の問題だろうか…

ファッションやセットはさすがのオシャレさで、画面が華やかなので楽しく見れて長さも感じなかった。

現代からすると、一族経営の高級ブランドが体現するものは、言ってみれば非常に20世紀的・昭和的で、もはや歴史になってしまっている感もある。映画の中でグッチ一族がバラバラになっていくのと時代の流れとが相関するように思えて、なんだか寂しい気持ちにもさせられた。
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