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ハウス・オブ・グッチのpikaのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.5
大雪による渋滞で遅刻して冒頭10分見逃してしまったが面白かった。
時間の経過の見せ方が上手い。そんなにだらけることなくスピーディにくるくると展開し、ちゃんと年月を経た実感も得られるよう作られている。

見たいもんを期待どおり見れた満足感!それ以上グッとこないのはリドスコあるあるなのでその点でも満足。同じ史実劇の「ゲティ家〜」が個人的にイマイチだったので満足できたこと自体も嬉しかった。
家で見るより劇場案件だったのは間違いない。豪華な演技とリッチな映像は大画面で映えまくってた。「ここはどこ?」状態で没入できた。見終わってリドスコの他作品を見たい!というよりは「サンローラン」見返そう、てかトムフォードの映画見たい!!「シングルマン」!!ってなった後味。

レディー・ガガの訛った喋り方はゆっくり噛み締めるような演技と伴って迫力があった。むちむちな身体とアップ上等な表情演技も凄い。役者陣が全員良かった。的確な距離を保ちぶつかり合わず演技していて、上手さとはこういうことかと。
いくらでもドロドロにできそうな題材を適度な温度で、どのキャラにも寄らず、ドキュメントにも主観ドラマにも教訓臭くもせずエンタメ劇として描ききってて上手い。「悪の法則」もだけどリドスコのこの気品みたいな距離感はさすが。

アダム・ドライバーは娘とよく遊んでいて、レディー・ガガはほとんど触れもしないよう対比があったけど、結局引き取ったのはガガの方で、全体的に娘の存在は終始雑だった。ドラマ上広げられない部分なのはわかるが対比上のお飾り的な扱いというのは、こういうドラマ映画でよく見かける手法で、あるあるなのは仕方がないことなのか、型なのか。難しい。
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