あんがすざろっく

ハウス・オブ・グッチのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.0
"イン・ザ・ネイム・オブ・グッチ"

こんなに面白かったなんて‼️
勿論、リドリー・スコット信者なので、彼の作品には一定の期待値はあるし、何しろ大好きなアル・パチーノも出演している。

が、いかんせん内容に惹かれなかったんですよ。
グッチというブランドは知ってますし、偽グッチが話題になってた時代も知ってます
(昔付き合ってた彼女も持ってた😅)。

ファッション業界の話には興味がなかったし、グッチ一族の裏話とか、顛末は知らなかったので、こんなにスキャンダラスな話だと思ってなかったんです。

今までも映画の企画が立ち上がっては消えてたようですね。
製作者の皆さん、よくぞ完成にこぎつけてくれました。

グッチ家の後継者、マウリツィオと、彼の愛したパトリツィアの出会いから、一族の辿る末路までを描いた本作。


最初はパトリツィアも本気でマウリツィオを愛していたのだと思います。
マウリツィオも、最初はそれ程パトリツィアに興味はなかったものの、徐々に彼女に惹かれていく過程がとても丁寧に描かれていました。
マウリツィオは、決して社交的には見えないし、恋愛に向くタイプではなかったのでしょうが、その一つ一つの仕草に洗練された家柄が滲み出てます。

パトリツィアは、グッチの名前に本当に聞き覚えがなかったか。
恐らく、そうだったんだと思います。
実際はそうでなかったかも知れないけど、映画での描かれ方は好きでした。

少しずつ欲と権力に支配されていくパトリツィアを演じるレディ・ガガは、見事なハマり役。
どこか浮いているようで、実はしっかりと芯が通っていたマウリツィオ役のアダム・ドライバーと並ぶと、とても相性が良くみえます。

いつもの迫力を抑えて、グッチ帝国を拡げていくことに注力するアルド・グッチ役のアル・パチーノも素晴らしいです。そしてやっぱり、パチーノには感情を爆発させるシーンがないとね👍
偽グッチへの見解にビックリ。ホントにこんな考え方してたのかな…

アルドの弟にして、マウリツィオの父ロドルフォにジェレミー・アイアンズ。
パチーノとの共演シーンに円熟味があります。


キャストで驚いたのは、パオロ役を演じたジャレッド・レト。
グッチ家の厄介者と言われた彼の風貌から、レトは作り上げていってます。
喋り方から、何だか歯車がズレてるユーモア感覚まで、風変わりなキャラクターが妙にリアル。あら〜これでは無理だよなぁと思わせる巧さ。

当事者の中からは、史実と違ったり、キャラクターの描かれ方に不満が出ているようですが…

でも僕はアンサンブルキャストは見応えがあったし、飽きることもなく見続けられました。

バイオレンスはほんの数分しかないんだけれど、
これはファッション業界を舞台にしたゴッドファーザーですね。

ブロンディのHeart of glassがいい雰囲気出してます。
ゲティ家の身代金もそうでしたが、お金持ちって良いことばっかりじゃなさそうです。
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