りさ

ハウス・オブ・グッチのりさのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

凄く好きな類の映画だった。

まず、GUCCIの歴史については全く無知だったんだけど、触りから2人の交際が幸せに順調に進んでいて、だからこそ結婚式のシーンで(ここから2人の関係はどう変化していくんだろう?)って思ったの。
ただただ妻を溺愛するマウリツィオ、ちょっと行き過ぎかもしれないと思いつつも妻を愛するマウリツィオ、愛が冷めていくのを感じているマウリッツィオ、憎んではいないと言いつつも元妻への嫌悪感が拭えないマウリツィオ。そして癒しを求め逃げていくマウリツィオ。。

彼が実際に殺されたという事実を知らずにこの映画を観たので、私はてっきり、2人が一緒に深い愛に落ちていたと思ってた。どうなんだろう、パトリツィアは本当にお金目当てだったのかな?最初からGUCCIの家柄が魅力的で近づいたのか、はたまた恋に落ちたのは偶然、次第にその巨額の資産や権力に目が眩んでしまったのか。

教養も金もないけど世渡り上手なパトリツィアと、教養も金もあるけど世渡りベタなマウリツィオ。何が歯車を狂わせたのかな?どうせ最後には誰の手にも残らなかったのなら、欲張らず、意外と好きだったトラックの清掃続けて幸せになれば良かったね。

個人的に、パトリツィアがアルバムを押しつけるシーンが凄く印象的だった。リアルだったし、ここだけはパトリツィアの気持ちが痛いほどよく分かったから。「僕はもう愛してない。」資産も名声も家族も捨てて彼女を愛し抜く決意をした人の口から、そんな言葉が出る日が来る。人間の心って移り変わっていくから切ない。

最後に巻き戻して、2人の若い頃をもう一度追った。キスするために眼鏡を取り上げるパトリツィアと、そうしたらよく見えるようになったマウリツィオの溶けたような笑顔。
“Just because a connection with a person doesn’t last forever
doesn’t mean it’s not real.”
の引用文を思い出した。泣いた。
りさ

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