レオン

ハウス・オブ・グッチのレオンのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.8
なかなかの骨太ドラマで、物語もしっかりした内容だが、それ以上に人物描写と各俳優陣の演技が圧巻。
公開当時はスゴイ面子だな~と感心しながらも見逃し、1年経ってようやくのwowow録画で、ガガ 以外は誰が出演していたか失念状態で視聴。

アルド叔父さん役が、個性豊かで貫禄ある演技に、うまいな~これ誰だろう~・・・。 うぬぬ~、この叔父役がアルパシーノか! と途中で気づいてビックリ! 老けメイクをしてるが他者を圧倒する存在感は当たり前。 細かいことは気にしないが親族を大切にし、優しいオーラを発している様な雰囲気は、まるでファッション界のドンという感じで、この作品に温かいスパイスを加味している。
イタリア訛りの英語も(旨いかどうかは判断出来ないが)、堂に入っているように思う。

さらにビックリしたのが、見終わって出演者を確認して、ジャレッド・レトも出ている事を知る。 えええ~あのハゲ頭のパオロ・グッチか! え~~見てる時は全く分からなかった。 いや~うまい! 今までキレ者の悪役が多かったが、こんなフール役も出来るのかと、改めて役者としての技量に感心する。

ハッキリ言って、上記二人が出ていなかったら、今作の★評価は0.1~0.2低くなっていたと私は感じるくらい。
特にアル・パシーノ演じる アルド・グッチは、今作で唯一好きになれるキャラクターで、徐々に嫌われ役に転じるガガとは全くの好対照。

アダム・ドライバーはスターウォーズの悪役とは一転して、内気なお坊ちゃまになりきっている。(初めて会ったガガをリズ・テイラーと呼ぶシーンは面白い。確かに品は違うがよく似てる)
ガガは恋するレディーから、貪欲で品のない悪女に変わっていく様をうまく演じているが、太く黒く塗ったアイシャドーと逆立てたヘヤースタイルの助けもある様に感じた。

と役者陣の事ばかり書いたが、この人物描写が名監督のなせる技で、物語は進むが各登場人物の心情がなにを思っているのか伝わらない作品との大きな違いである。

さらに見終わってから、160分という作品時間を知り、2時間ちょいぐらいに感じた自分は、それだけ画面に引きつけられていた事を再認識。

大きく波のある起承転結や、派手な見どころはない作品だが、人物描写重視の私には納得の1本でした。
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