デッカード

ハウス・オブ・グッチのデッカードのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.0
名門ブランド"グッチ"一族の御曹司と結婚した市井の女性。穏やかに過ごしていたセレブ一族の崩壊が始まる。

一族が覇権闘争へと向かう導火線となる女性をレディー・ガガがエキセントリックに演じる。

伝統あるグッチ一族の破滅劇にギスギス感はなく優雅にさえ見える。

一般女性のパトリツィアが一族に入ったことでグッチ家は崩壊していくのだが、いつの間にか古臭いブランド扱いされているのにプライドは高く伝統にこだわるだけの"グッチ"セレブ一族が駆逐され、経営能力のある他者が同族経営を凌駕するのは必然のように思えた。

殺人事件まで起こっているのだが、映画全体の雰囲気には血生臭さはなくスマート。

どんな諍いがあっても親子の情愛に満ちたハグのシーンは家族というものを思い起こさせる。

レディー・ガガが熱演したセレブの中でいつまでもセレブにはなりきれない上昇志向の強い女性は哀れだった。
彼女に操られていたはずのマウリツィオが覇権闘争の怪物に変貌していく姿もおもしろかった。アダム・ドライバーが『最後の決闘裁判』に続きリドリー・スコット監督作品で存在感を見せ印象に残る。

なんとなくだがリドリー・スコット監督らしくない作風かな?と思った作品。
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